モダンブルー

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1905年にフランスで創業した老舗のブランドというバックグラウンドを持つんですが、長いキャリアを感じさせないモダンな感性とスタイルは流石。こちらは「キャスティック」とネーミングされた踝丈のショートモデル。自分のスタイルをよく魅せるならロングを選びます

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インポートブランドECの老舗・モダンブルーが自社ECをリニューアル 新しい時代の小売業目指す

自社のアイデンティティを表現するため自社ECをリニューアル

 2001年からネットショップを開店してきた、老舗のインポートブランドネット通販「モダンブルー」。このたび、自社ECサイト強化のため、構築パッケージを変えリニューアル。

 多店舗展開を行う老舗ネットショップが、自社ECサイト強化のためのシステムリニューアル、運営効率化のためにサービス導入するという流れは、今後相次いで起こりそうだ。EC開始から15年目での新たなシステム投資の決断と、その先に目指すものとは? 株式会社モダンブルー代表取締役 加賀学さんにお話をうかがった。

 

――大きな時代の変化に備えてのサービス導入、システムリニューアルということですが、いつ頃からお考えだったのでしょうか。

 構想を始めたのは10年以上前からです。外部の支援事業者さんを選定し、取り組んでは失敗し、といったことを繰り返していました。そんな中、現状のサイトで依頼しているシステムベンダーさんに出会い、ランニングコストが安いことに加え、「在庫が連動できる」のが大きなポイントだと考え、取り組みをスタートしました。

 しかしながら、ECサイトというのは最終的に、「お客様からご覧いただいた際に、見やすく買いやすいサイトであるかどうか」が商売としては非常に重要なのですが、システムがそこまで追いついてこなかった。そこで、再びリニューアルを決意しました。

 今度こそという気持ちで何社さんかのシステムベンダーさんにお会いして、今回お願いする、アイティフォーさんだったら安心してお任せできると思い、決断した次第です。

――支援事業者を選定するにあたり、同業の方と情報交換されたりしましたか?

 同業他社とは、あまりしていないですね。何かの二番煎じではなく、オリジナルを追究してユニークなものを作りたいと考えていたので。もちろん、ネット上での評判を調べたりはしましたけれど、基本的には、社内でシステム関連の仕事を担当するメンバー4人と、リレーションをとりながら選定していきました。

 

――リニューアル後は、どのように変わるのでしょうか。

 「お客様からご覧いただいた際に、見やすく買いやすいサイトであるかどうか」というお話しをしましたが、それを体現するECサイトにしたいなと考えています。数回購入するうちに、「モダンブルー以外では買いたくない」といった印象を持ってもらえるようなサイト、そして、品揃えを実現したいと考えています。

 具体的には、お客様が「ここにこんなボタンがあったらいいな」という場所に、きちんとそのボタンがあるとか。言いかたを変えると、お客様が次に求めるだろう情報に最短距離で到達できることが重要だと思います。

――自社ECとモールの役割の違いとは?

 モールではどうしても、そのモール自体の色や顧客層が前面に出てくるし、コストもかかる。モダンブルーのアイデンティティ、世界観、美意識など、お店の特色をストレートに表現したいなら、やはり自分たちで作らなくてはなりません。そうなると、自社ECサイトの強化になってくる。

 そもそも、我々が扱っているヨーロッパのブランドは、それぞれの美意識、歴史、カルチャーを持っています。単に即物的に商品だけを輸入して販売するのではなく、ブランドが持つそういった背景も同時に輸入して、紹介するのが我々の仕事です。そこまでやっているから、この価格でご提供しているということを、しっかりと伝える義務もある。

 口で言うのは簡単ですが、本当に手間のかかることなので、どこまで実現できるかはやってみないとわかりませんけれど。

 

――サイトリニューアルに加えて、新しい一元管理ツールの導入で、運営にかかわる人的リソースを45%削減するとか。現状でも、少数精鋭で運営されているそうですね。

 今は、レギュラースタッフが20人ぐらいです。伝統的に小売業は、労働集約型の産業だと言われてきました。つまり、収益構造の中で人件費の占める割合が非常に高いわけです。しかし、21世紀型の会社を作っていくならば、従来型の構造を一度壊して、eコマースの特徴を最大限に活かす体制を作らなければと考えました。

 また、小売業の中でも、とくにファッション業界は、ひと昔前までは大手百貨店さんでさえバーコードを持たない商品タグだったわけです。さまざまなモノが、アナログ的に社内に散乱している状態が、この業界の特徴でもあったのでしょう。しかしeコマースは、すべてのデータがデジタル化されています。それはシステムと親和性が高いですし、ビッグデータが操れるようになり、人工知能が発達した時代には、その特徴を最大に発揮できるのではないでしょうか。

 作業的な色の濃い仕事はシステム化することによってスピードと正確さを上げ、本来人間がやるべき仕事とは何かを考える必要があるでしょう。

 

ターゲットとなるお客様にとっての「一番」になる

――「いかに売るか」ではなく「顧客に代わっていかに買うか」が小売業の本質とおっしゃっていた記事を拝見しましたが、今後、小売業も大きく変わっていくのでしょうか。

 小売業にかかわらずどんな業種であっても、10年後には、いま人間が行っている仕事のうち半分くらいしか残らないと言われていますよね。そんな中で、自分たちの生存領域をきちんと確保しなければならないわけですが、お客様から支持されるサービスや商品をお届けするという前提のもと、皆で頑張れば可能だと思っています。もちろん、課題は山積みですけれども。

 どちらにしても、インターネットで世界中つながっているわけですから、すべてのお客様が我々のお客様であり、すべてのコンペティターは同じ商店街のお隣さんです。ということは、企業規模の大小にかかわらず、「一番」になるしかない。

 

――一番になるとは、具体的に言うと?

 たとえば、このファッション業界でも「大手」と言われる企業さんは数多くあるわけで、そういった企業さんと肩を並べて、企業規模でナンバーワンになろうとは思っていません。つまり、我々が「お客様」と位置づけている方々に、「地球上でこのモダンブルーが一番いいよね」という評価をしていただくことが、「一番になる」ということです。「まずはこのお店を見てみよう」という存在になる。

 もちろん、想定しているターゲット以外のお客様にも興味がないわけではありませんが、まだまだ、今のお客様たちにもっと新鮮な感動を与える、「次はこれでいかがですか?」「その次はこれでは?」という、提案型のMDはもっともっとやっていけると思っていますし、それが我々の特徴だと思うんです。

 ですから、ターゲットを広くすると、すべてのお客様に高い満足を感じていただけず、付加価値が感じていただけなくなって、価格のような即物的な判断基準で買う・買わないが決まってしまうようになる。それは目指すところとは違うんじゃないかと考えています。

――これから生き残る術とは?

  我々はモノを扱っているので、どんなに有効な販促を打ったり、懇切丁寧なサービスをしたとしても、最終的には商品でご満足いただけるかどうかです。だから、「いかに売るか」ではなく「顧客に代わっていかに買うか」の考えかたで、MDをいかに強くできるかが勝負になると思います。それがあってこそ、販促やサービスが肉厚になる、真実味を帯びてくる、会社にも奥行きが出てくるのではという考えでいます。

 具体的には、商品のバリエーションを増やすといったことはしていきます。これまでも、アパレルからスタートして、バッグ、財布、靴などカテゴリーを増やしてきました。我々のお客様は、それ以外のモノにも興味を持っていらっしゃるので、もう少しライフスタイルによったMD、アルコールかもしれないし、化粧品かもしれないし、そういったものも含めて、自分たちのコンセプトに合致するような商品を増やしていけたらなと。もちろん、いいサプライヤーさんとの出会い、信頼関係あってのものですが。

 

――今後の展望をお願いします。

 モノを輸入して販売しているので、実体経済とは関係のないところで大きく相場が変わることがあり、非常に影響を受けます。それを、グローバル企業になることで、影響が少なくてすむようにしたいですね。つまり、A地点のモノを日本まで輸入して販売するという1つの流れだけではなく、A地点で直接販売してもいいし、B地点からC地点に動かす新しい商流を作るといったことです。そうなれば、円高の時にはこちらのビジネス、円安の時には別のビジネスが強いといった具合になります。

 これまでは、日本の中で優秀さを発揮するのを当たり前の目標としてやってきたわけですが、世界の中で優秀さを発揮することはかなりハードルが高い。ともあれ、今の為替の中で生かされていることが宿命ならば、切り込んでいって勝利するしかない。もう少し国際的なスキルや感覚を身につけて、多国的にやれたらとは考えています。

――ありがとうございました。

記事は、 https://eczine.jp/article/detail/2026 より引用

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